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2017年6月

2017年6月30日 (金)

白月

望月周さんの『白月』をよく読んでいる。
うまい!
季語の使い方、取り合わせの斡旋が絶妙である。
何年か前に「角川俳句賞」をとったのだが、
それも当然と思える。



    ステンドグラス西日を青く導きぬ    周


    涼風に吹かれいづこも素通りす   周


    地球儀を間近にしたる金魚かな   周


    水鉄砲つめたき水の加はりぬ   周


    天牛に息吹きかけて真昼なり   周



気をてらってもいない。一見平凡だが、深い。

写生句なのだが、古臭くない。


対馬康子の世界もいいが、こういうのもいい。

さて自分の世界とは……


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2017年6月28日 (水)

瀬戸内

松前町は海にも近い。
少し行くと、ローカル線だが、ホームから夕日が見える駅もある。
そのあたりの道は、たいていガラガラ。

先日、「少しは体に負荷かけなければ……」と
ツーリングに行ってきた。

Img_0557

あいにくの曇り空だったが、
「海風」そのものが心地よい。

もう少し体力をつけて佐田岬ぐらいは走れるようにしたい。



     海からの風ぬるく吹き梅雨晴間    一行



     うしろから押されるやうに夏至の風   一行




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2017年6月27日 (火)

植田から青田へと……

実家の宇和島周辺では、田植えは早い。
しかしここ松前町は二毛作で、
まず麦が植えられ、麦秋になり、刈り取られ、
すぐに代掻きをして田に水を張り、
あっという間に田植えが終わる。

最初は小さかった苗も、もう20センチぐらいになった。
しばらくすると「青田」である。

植田では一晩中蛙が鳴いている。
何種類かいるのはわかるのだが、聞き分けられない。

こういうのを、さくさくと聞き分けられるようになりたいものだ。


Img_0554



      あをき空ひつくりかえり植田かな  一行



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2017年6月26日 (月)

エミリ・ディキンソンの深さと難解さ

この詩人の詩は、分かりやすそうで分からない。
そして深くてピュアだ。



 激しい苦痛のあと、形式化した感情が生まれる――

 神経は儀式ばって坐る、墓石のように――

 硬直した心はいぶかる、運んでくれたのは「あの方」だった?

 昨日だった? それとも何世紀も前?



 足が、機械的に、歩きまわる――

 地上の、空中の、それとも何かの――

 木の道を

 無関心になって、

 石英の満足、石さながらに――



 いまは鉛の時間――

 もし生きのびたなら、思い起こされるだろう――

 凍ってゆく人が、雷を思い出すように――

 最初は――寒け――それから麻痺――そして一切の放棄――



凄い表現だと思う。
だけど理解するには、膨大な時間がかかりそうだ。


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2017年6月24日 (土)

透明感と詩情と……

再び対馬康子さんである。

まだ64歳ほどでお若い。高校時代は現代詩をつくっていたそうだ。

それが大学に入り俳句を始める。
有馬先生の「天為」に入会。現代俳句の象徴のような結社だ。

現代詩が俳句に変わったような、なんとも言えない世界。


    逃水も死もまたゆがみたる円周   康子


    重い砂鉄川飛ぶ虻の夜の貌   康子


    鳥の巣の形見のごとく水辺の木   康子


    巣立鳥ひかりの声に呼ばれたる   康子


    繃帯を手に巻き余す虹の橋   康子


    遠嶺みな闇となりたる蚊遣香   康子


                     (『竟鳴』 より)


……無雑作に使われる、闇、死、夜……といった言葉。

それが重さと同時に輝いているかのような句である。
この世界にたどり着くには、
発想をガラリと変える必要があるかもしれない。

いや「かもしれない」ではなく、変えるべきだろう。

たとえその句が、「こんなの俳句じゃない」と言われても、
自分を信じてつくっていきたい。


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2017年6月23日 (金)

梅雨寒

梅雨に入って、あまり雨が降らない。
曇り空で涼しいぐらいだ。


いわゆる「梅雨寒」か……。

天気予報では来週から雨が多くなるらしい。


    揺れてゐる草の雫や梅雨寒し   一行


    身を責める雲の重たさ夏至の雨   一行


    川音の高まるところ青嵐   一行


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2017年6月19日 (月)

もうすぐ俳句甲子園

8月中旬に松山市で俳句甲子園がある。
最初は愛媛県内の高校だけだったこの大会が、
いまでは全国の8割の県が参加する。

目標は、全県参加、だそうだ。

確かに四国も愛媛県は多いが、高知は1校、
香川、徳島には参加校はない。

野球の甲子園大会も、最初はこんな感じだったのだろう。

個人的には、ディベートでの勝負がからむ運営方法に
やや不満はある。

しかし、マイナーな文芸だった俳句をここまで全国区にした功績は大きい。
仕掛け人の夏井いつきさんは、「プレバト」などの
テレビバラエティ番組でもブレークした。

俳人としても優れた人だが、
「プロデューサー」なのだろう。

大会には私が東京にいた頃に知り合った先生方も
選者としてやってくる。
私としてはむしろその再開のほうが楽しみだ。

8月の大街道は恐ろしく暑い。
去年は何とかなったが、今年は、やや自信がない。

全対戦をまんべんなく見ようと思ったら、
大街道を歩き回ることになる。
今年は1、2校に絞って、椅子席で見物しよう。


   風すこし強まり俳句甲子園    一行


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2017年6月16日 (金)

麦秋から代田、植田へ……

先日1週間ほど上京してきた。
上京するときは「麦秋」が終わり、
松前町の名産である「裸麦」が刈り取られていた状態。

帰ってくると、田は掘り起こされ、「代田」に。
すでに田植えも終わり「植田」になっているところもあった。

Img_0553


農機は高価なので、今は数軒の集落で1台を所有し、
回り持ちで代掻きをし、稲を植えていく。
ほんの数時間で終わってしまい、あっけないものだ。

植田には四国の山々が映る……。


    ゆがみたる遠山の浮き植田かな   一行


    あつけなく田水張られて鳥逃げる   一行


これが1カ月もすると「青田」になり、
稲穂が実り、秋の収穫期になる。

もう少し気持ちに余裕があれば、こうした移ろいをゆっくりと
見ることもできるのだが……。

ともあれ、愚鈍に俳句を続けていこう。



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2017年6月15日 (木)

今年の蛇笏賞

今年の蛇笏賞は、高橋睦郎と正木ゆう子。
対照的な2人である。

とくに高橋睦郎の俳句は、「わからない」というより「むずかしい」。

  摺足に白進み來る初山河

  絲をもて吊らるるごとし人も花も



漢字は正字だし、古典の世界も入っている。
言葉遊びでもない。

詩集も硬質だが、俳句も深くて思い。

同じ「わからなさ」でも、対馬さんの句は雰囲気はわかる。
しかし高橋睦郎の句は、難解なのだ。

好きな句は多いが、私にはとてもたどりつけない世界だ。


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2017年6月12日 (月)

高橋睦郎

5月末から1週間上京して、
フラフラになった。だいぶ体力が弱っている。

幸い東京では雨に遭うこともなく、
暑くもなく、寒くもなく、で気候はよかったのだが……。

東京でブログ更新もできたとはいえ、
なかなかそういうモードにならない。
帰ってきて2、3日寝込んでしまい、
やっと少しブログでも……というところである。

数年ほど前に俳句を本格的に始めたとき、
ある人から「一行さん、高橋睦郎、好きでしょ」……。

図星だった。高橋睦郎の詩は「わからない」のだが、
そのわからなさが好きだ。
この人は俳人でもあり、今年「蛇笏賞」を受賞した。

俳句も、むずかしい。

要は詩も俳句も、使われる言葉が難解なのだ。



    砂の言葉


 「見とおせない網の目の闇の道が

 本質的な迷路というわけではない

 光の中に地平線まで見えわたる砂の原こそ

 まことの おそろしい迷路」

 これは 砂の語りかける言葉



――う~む。何となく景色は見えるし、
「網の目の闇の路」
とは、なんと素晴らしい言葉だろう。

だが私がこの人の詩や俳句をわかるようになるには、
まだ何年もかかる気がする。

それほど深い。


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2017年6月 6日 (火)

結社「藍」

「藍」は、黒田杏子先生の結社である。
多彩な人材が揃っている。




    パブロフの犬に挑まれ涼しかり   花谷 清



    六月の雨制服は蝶結び   田中 都




     果ての果ては海にもわれにも夏霞   花谷 和子




    ゴンドラの影すべり行く大夏野   前田 和江




……しばらく俳句をつくっていない。

モチベーション上げなければ。


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