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2017年1月

2017年1月25日 (水)

稀勢の里横綱昇進に思う

稀勢の里の横綱昇進が決まった。だが、ちょっと甘くないか……。

相撲は神事かスポーツかという論議には、答えは出ない。しかし各部屋が「強い力士」を育てようと世界中をスカウトし、今のように幕内力士のかなり多くが「外国人力士」になっている。それで外国人力士が強くなると、「品格が……」とか言い出す。

「日本人横綱を……」という声は最近とくに多い。白鵬に対する風当たりも、言いがかりに近いものもある。

今場所が始まる前に、「優勝したら横綱に……」と横綱審議委員会が言っていたのならまだいいが、そもそもが「一から出直し」のはずだったはず。それが優勝しそうになると「だいぶ安定してきたから……」と推挙する。

そこまで日本力士にこだわるなら、「一部屋一人」ぐらいにすべきだろう。国粋主義に近い危ういものを感じるのは私だけだろうか。

    *

内規の「優勝に準ずる成績」とは、決定戦に出た優勝同点か、優勝力士に1差。先場所の稀勢の里は、優勝に次ぐ成績だったが2差だった。ところが白鵬戦の前に「負けても昇進」と言い出した。もし負けていたら、他の2横綱が途中休場で対戦していないのだから、非常に情けない結果になっていた。横綱戦勝利なしでの昇進になるところだったのだ。

貴乃花は大関時代の1994年に初場所と夏場所で優勝。秋場所で全勝優勝したが、その前の名古屋が11勝止まりで審議委員会で「見送られた」。しかし、続く九州で再び全勝優勝。「どうだ!」という感じで昇進。しかも当時貴乃花は若かった。

稀勢の里はすでに30歳を超えている。しかも稀勢の里はメンタルが弱い。半ば情実で横綱になって、逆にプレッシャーにならないことを祈る。

2017年1月21日 (土)

寒波がやってきた

一日中、北西の風がびゅうびゅうと吹き、
雨も雪も混じるという最悪の天気。
ずっと家にいた。

まあ、そろそろ大寒だから当たり前だが、
梅はちらほら咲き始めたし、
桜の芽も、少しふくらんできたようだ。
もうすぐ春がやってくる。


    一湾に凩の濃く集まれり    一行


    凩の強引に吹き立木鳴く   一行


    集まつている雪虫のすきとほる   一行



    こころざわつきて乱れる寒の月   一行




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2017年1月18日 (水)

対馬康子さんの透明感

対馬さんは、香川県出身で、高校時代は「詩」を書いていたそうだ。
大学に進み、有馬先生と出会い俳句を始め、
2年ほど前までは有馬先生の「天為」の編集長だった。

私の所属している「銀漢」は、伊藤伊那男先生が
「銀漢亭」という「昭和酒場」のようなフランクな店を経営しており、
そこに集まる俳人たち(俳人でなくても俳句をやらされる)がメンバーになり、
6年前に発足した。
「天為」編集部は銀漢亭のすぐそばにあり、
対馬さんは仕事帰りに、しょっちゅう立ち寄っていたのである。

今は対馬さんが俳句甲子園などで愛媛に来られたときぐらいしか会えないが、
親しくさせてもらっている。
たぶん私と同級生ぐらいである。



現代詩をつくっていたこともあり、客観写生とは異質の世界。


    双六の一回休み聖水を   康子


    箸先を伝いて滝の氷り初む   康子


    フェニキアの文字の始まりたる寒波   康子


    赤海鼠夢の階段踏み外す   康子


いいんだよなあ。リアルな景ではなく不思議な景が浮かぶ。
私もこういう句を目指したい。


    にはとりの鳴き声は風寒固   一行


    虎落笛童子の指の明るさに   一行


    涙まで雪色となり冬の鵙    一行




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2017年1月15日 (日)

今年一番の寒波らしい

昨日今日と、底冷えがする。
東北北海道などでは、かなりの雪。四国でも石鎚は冠雪した。
季節はまさに「寒固」。


    一羽の死忘れられをり田の雪に   克弘


    寒林の雲のかなしみ流れざる   克弘


    寒林を鳥過ぎ続くもののなし   克弘


    息白く海の時間に囚はるる   克弘


これらは高柳克弘の『寒林』より。
いいなあ……。
句が、キーンと鳴っているようだ。

あざといひねりもなく、かといって川柳臭さもいっさいない。
ひたすらに先鋭だ。



    虎落笛磧に石のひしめけり   一行


    鈍色の空に風あり冬ざるる   一行


    人影の靱きしづけさ寒固   一行



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2017年1月14日 (土)

再び、高柳克弘の世界

私が高柳克弘を好きな理由は、句の「正統さ」である。
「なんだこりゃ」
というものは、ほとんどない。
真剣に俳句をつくっているという「熱」のようなものが伝わってくる。


    初茜地を焼く星のいつか降る


    寒鯉のしづけさは子にうつりけり


    竹林は機智を拒みて雪蛍


    撃たれたる鳥の恍惚山桜



いずれも、王道を行きながら、溌剌と言うか、若い。
単なる写生句でもないし、俳諧味のあるひねった句でもない。

藤田湘子の若い頃は、こうだったのかもしれない。

私はもう10年も俳句をつくってきて、「これが私の句だ」
というスタイルが、あるようでない。
ある人から「硬軟自在」と褒めていただいたが、
そんな大げさなものでもない。

ただ、透明感のある抒情的な句を目指したいとは思う。




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2017年1月12日 (木)

高柳克弘の世界

高柳克弘氏は、まだ30代である。
故・藤田湘子の「鷹」を小川軽舟が引き継ぎ、
なんと20代で「鷹」の編集長になった。

若くて気さくと言うこともあるのか「俳句甲子園」では
高校生のヒーロー的存在のようである。
実際、審査員を務め、試合が終わると、必ず負けたチームに話をしている。

彼の第一句集『未踏』の帯には、こんな言葉が書かれている。

   形式への可能性を攻め続けることが
   形式への最大の礼儀。

そして句集のタイトルにもなった句……

    ことごとく未踏なりけり冬の星


この高柳さんと、今や俳句界の全国的アイドルでもある
神野紗希さんは、ご夫婦らしい。
最近までうかつにも知らなかった。
去年、第一子が産まれたのだが、すごい遺伝子である。

最近、第二句集『寒林』が出版された。


    一月一日雲を切る主翼なり


    初夢のあとかたもなき梢かな


    つくる火のたちまち高し雪の谷



いずれも、外連味のない、透明感あふれる句である。
ヘンにこねくり回すような句はない。
しかも平明でありながら深い。


しばらくこの俳人を追いかけてみよう。


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2017年1月 7日 (土)

今年は詩を書いてみたい……

高校時代、寺山修司に扇動されるように、
意味不明の詩を書いていた。
眠る前の1、2時間……どんどん言葉が出てきた。

今読み返すと、まったく形になっていないが、
少なくとも感性は今より鋭敏だった。

これまで2冊の詩集を書いた。
今年は三冊目……と考えているが、どうもしっくりこない。

こんな詩を書いては見たが、何が言いたいのか曖昧だ。

   渚にて、歌を
 

前向きの歌をうたうのは

気持ちも明るくなっているからなのだろうか

それとも周囲が揺れているだけなのか

断定も推測もできないように

私がいる

渚は時間とともに温んでいった

わかったふりだけでもしてみようと

風光るあの岬まで

私は歩いていく

卯波の沖に無人島がある

飴色の蝙蝠が飛ぶとき

すべての時間は夜になる

波の上にも靄のような陽炎があるとわかるまで

私は渚に立っている

喜劇のような時間が粛々と過ぎてゆき……

陽炎の中ですぐに過去になって消える

世界が終わるときにも同じことが繰り返され

地球の重さが少しだけ変わるのだろうか

渚で海が浜と攪拌される

渚は動物のように時間と一緒に姿を変える

私はたぶん勘違いをしてきたのだろう

しかしそれはうつくしい勘違いだ

理由のない涙が落ちて

理由のない区切りがついた

この街の涙の総量が増える

風の響きが蟬の声に変わった

わんわんという音は

どこまで行っても純潔だ

だから私はやはり歩いてみる

渚がある

真っ白な渚がある

私は空に向かって放り投げられるほどに軽くなる

霧の中の秋思と時雨の中の憂鬱が

何かに導かれるように歌をこぼす

声はかたまりになって

渚の引き潮にまぎれていった

それでもどこかから

交響曲のような歌が聞こえてきて

その先に霞のように水平線がよこたわる



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2017年1月 2日 (月)

謹賀新年

明けましておめでとうございます。
イギリスのEU離脱、トランプ大統領……
「まさか!」ということが、やたらと起こっています。

個人的にもそれなりに年齢を重ね、
想定外のことが身の回りに起こるようになりました。
もっともこれは、想定外のことにしなやかに対応できなくなった
ということだけかもしれませんが……。

ともあれ、四国は穏やかな新年です。
冷静に、時には割り切って、マイペースで生きていきたいと思っています。

今年もよろしくお願いします。



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